長いGmail、AIに3行+やることリストにしてもらう|ラベルを貼るだけ【基礎編】

長いメールにラベルを貼るだけで、AIが3行の要約とやることリストにしてくれる――基礎編「長文メール要約」のアイキャッチ つまずき帳

件名は短いのに、本文はスクロール3回

開いた瞬間、心のなかで小さくため息が出るメールが、ある。件名はたった一行なのに、本文に入った途端にスクロールが3回。お知らせと、補足と、注意書きと、また補足。ぜんぶ大事そうに見えて、でも、どこが自分に関係あるのかが、すぐには分からない。

いちど読んでも、なぜか頭に入らない。それでもう一度、上から読み直す。読み終えたあとに残るのは、安心ではなくて——「で、結局わたしは何をすればいいんだっけ?」という、もやっとした問い。そしてまた、答えを探して上にスクロールして戻る。

返信が遅れるのは、内容がむずかしいからじゃないんです。この「読み直し」に、毎回つかまってしまうから。1通だけならいい。でも、こういうメールが1日に何通も来ると、開くのがだんだん億劫になって、未読の数字だけが増えていく。

正直に打ち明けると、これはずっと、わたし自身のことでした。長いメールを後回しにして、夕方に「あ、あれ返してない」と思い出す側です。

結果から言います = ラベルを1枚。3行+やることリストが、自分に届く

いまは、その「読み直し」がほとんど消えました。やることは、ひとつだけ。

長いメールに、「要約」というラベルを1つ貼る。

それだけで、しばらくすると自分宛にメールが1通届きます。中身は、本文を日本語で3行に要約したものと、続けて「あなたがやること」のリスト。件名は「【要約】(元の件名)」。長い本文を上から下まで読み直さなくても、まずこの1通を見れば、「何の話で、自分は何をすればいいか」が分かるようになりました。

元のメールは、消えません。動かしもしません。ただ、要約が自分に1通、届くだけ。

Gmailで開いた元の長い案内メール。件名「【ご案内】来月の保護者会・持ち物・提出物・スケジュール変更について」、本文は複数段落びっしり。件名の横に「要約」ラベルが付いている(内容は架空のサンプル)。
これが元の「長いメール」。お知らせ・補足・注意書きがぎっしりで、読むのもひと苦労です。やることは、件名の横に「要約」ラベルを1つ貼るだけ(右上)。すると——次のような要約が届きます(内容は架空のサンプル)。
Gmailに届いた要約メール。件名「【要約】来月の保護者会…」、本文は3行の要約と「あなたがやること」の箇条書き(6項目)。長文を読み直さなくても要点とやることが分かる(内容は架空のサンプル)。
「要約」ラベルを貼ったメールが、こう届きます。件名は「【要約】元の件名」、中身は本文の3行要約と「あなたがやること」リスト。長い本文を読み直さなくても、まずこの1通で「何の話で、自分は何をすればいいか」が分かります(内容はすべて架空のサンプルです)。

今日の一点:AIに“文章”を読ませて、要約させる

今日できるようになるのは、たった一つだけです。AIに「文章」を読ませて、短くまとめてもらう。

前回(第1回・紙の予定表を撮って表にする)は、AIに「写真」を読ませました。今日はその対になる話で、読ませるのが「文章」になっただけ。写真の文字を読めるAIは、当然、文章も読めます。「これを3行にまとめて」と頼めば、まとめてくれる。今日の新しいことは、本当にこの一点だけです。

正直に言うと、わたしはコードを一行も書いていません。書いたのはAIで、わたしがやったのは、できあがったものを貼り付けて、一度だけ許可して、あとは「要約」ラベルを貼るだけ。読んで・まとめるのは、ぜんぶAIの担当です。

同じものを作る:AIに渡すプロンプト(コードは書きません)

コードは自分で書きません。ChatGPTやGeminiのような対話AIに、次の文章をそのままコピペして頼むだけです。

——中身は読まなくて大丈夫。まるごとコピーして、貼るだけです。

Google Apps Script で、次のことを自動でする仕組みを作ってください。コードは全部あなたが書いてください。わたしはコードが読めない前提でお願いします。

1. Gmailを検索して、「要約」というラベルが付いたメールのスレッドを集める(検索クエリは label:要約)。
2. それぞれのスレッドの最新の本文テキストを取り出す。
3. その本文を Gemini(無料で使えるAPI。モデルは gemini-2.5-flash を指定)に渡して、「この本文を日本語で3行に要約し、続けて『あなたがやること』を箇条書きで出してください」と頼む。GeminiのAPIキーは、コードに直接書かず、スクリプトプロパティに保存して読み込む形にしてください。
4. その結果を、自分自身のGmailアドレス宛にメールで送る。件名は「【要約】元の件名」にする。
5. 要約の送信に成功したときだけ、そのメールから「要約」ラベルを外す(同じメールを二重に処理しないため。失敗したらラベルは残す)。
6. これを、決めた時間に自動で動く設定(時刻トリガー)で実行できるようにする(手動でも実行できるようにしてください)。

大事なこと:元のメールは絶対に削除・変更しないでください。やるのは「読む」と「自分宛に送る」だけです。AIの呼び出しが混雑(503)や割り当て超過(429)で失敗したときは、数秒待って2〜3回やり直す処理も入れてください。あわせて、APIキーをスクリプトプロパティに入れる手順と、初回の許可・時刻トリガーの設定手順も、コードが読めない人向けに一つずつ教えてください。

このとおりに頼めば、AIがコードと手順をひとそろい返してくれます。あとは、

  1. AIが書いたコードを、言われたとおりに貼り付ける。
  2. 初回だけ「許可」する(→このあと「つまずき先回り」でくわしく)。
  3. 決めた時間に自動で動く設定(時刻トリガー)を、1回だけセットする(毎時・毎朝など、好きな間隔で。設定手順は第4回・自動で届く仕組みの回にくわしく書きました)。

これで準備は完了。あとは読者の操作は「長いメールに『要約』ラベルを貼るだけ」になります。「貼って、許可しただけ」——これが、このブログのいつものやり方です。

補足:Geminiは、個人がひとりで使うくらいなら無料枠で足ります。APIキーの取り方も、上のプロンプトのなかでAIにいっしょに案内してもらえます。今日は「ラベルを貼れば要約が届く」入り口だけに集中します。

つまずき先回り

①「メールの読み取り・送信」という許可が、強めに出ます

初回に一度だけ、許可の画面が出ます。今回は「メールを読む」「メールを送る」という、ちょっとドキッとする言葉が並びます。

でも、落ち着いて中身を見れば、やっていることはこれだけです。「自分のメールを、自分のAIが読んで、その要約を自分に届ける」。 外の誰かに送るわけでも、内容が外に出ていくわけでもありません。自分から自分へ、なんです。

この許可画面で「自分には早かったかも」と手が止まってしまう人は、本当に多いです。怖くない進み方は、第3回・許可画面の回にまるごとまとめました。迷ったら、そちらへ。

Googleの「このアプリはGoogleで確認されていません」警告画面。詳細を開き「移動」リンクが見える状態(デベロッパー名はマスク・架空サンプル)
アカウントを選ぶと、許可画面の前にこの警告が出ます。赤い三角と「このアプリは Google で確認されていません」にドキッとしますが、これは自作の仕組みなら普通に出るもの。「詳細」→「(安全ではないページ)に移動」で次の許可画面へ進めます。手が止まりやすいのは、むしろこの一枚(デベロッパー名はマスク・練習用アカウントの架空サンプルです)。
Googleの権限許可(同意)画面。「Gmail のすべてのメールの閲覧、作成、送信」などのアクセス許可が一覧表示され「続行」で許可する。「このアプリは確認されていません」の警告も表示(練習用アカウントの架空サンプル画面)。
初回だけ出る許可画面。「Gmail の…閲覧・作成・送信」と強めの言葉が並んでドキッとしますが、このスクリプトが実際にやるのは「自分のメールを、自分のAIが読んで、自分に送る」だけ(元のメールは消しません)。怖くない進み方は第3回に詳しく。画面は練習用アカウントの架空サンプルです。

②AIに渡すのは「本文だけ」。原文は消しません

念のため、機密の話も正直に。AIに渡しているのは、メールの本文のテキストだけです。そして、元のメールは消さない・動かさない。要約が自分に1通増えるだけで、受信トレイの原文はそのまま残ります。

それでも、仕事の機密や、人に見せられない個人情報が濃いメールは、ラベルを貼らない——その線引きは、自分の手で持っておくのが安心です。「これは渡していいかな」と一瞬考えてからラベルを貼る。その一手間だけは、残しておいてください。(なお、この記事に載せている画像は、すべて架空のサンプルに差し替えています。)

③無料枠の「割り当て」と、AIの「混雑」

費用は、わたしの使い方では0円でした(Geminiの無料枠)。ただし、ここは正直にお伝えします。実際に動かすと、無料ならではの「待った」に出くわすことがあります。わたしも、二つの「待った」を通って、それでも要約までたどり着きました。

ひとつは 「429(現在の割り当てを超えました)」。一瞬「キーが間違ってた?」と思うのですが、これは鍵の間違いではありません(鍵が違うときは別のエラーになります)。AIの無料枠の「割り当て」の話で、とくに作りたてのキーやプロジェクトは、最初その枠がまだ開いておらず0のことがあります。対処は、AIに使わせるモデルを gemini-2.5-flash にする(gemini-2.0-flash で429が出ても、こちらに変えると通ることがあります)か、少し時間を置く。それだけで、すんなり通りました。

もうひとつは 「503(いま混んでいます)」。これはAI側が一時的に混雑しているだけのサインで、少し待ってもう一度で通ります。さきほどのプロンプトに「混んでいたら数秒待って2〜3回やり直して」と入れておけば、勝手に待って再実行してくれます(わたしのときも、自動で待ち直したら2回目で要約が届きました)。

どちらも「エラー=壊れた」ではありません。鍵も仕組みも合っていて、無料の順番待ちをしているだけ。 あわてず、モデルを変えるか、少し待つ。それで大丈夫でした。

補足:作りたてのアカウントだと、APIを使い始めた直後に「アクセスを制限しました」という自動メールが届くことがあります(わたしも一度来ました)。これも新規アカウントを「様子見」するGoogleの自動判定で、不正をしたわけではないので、コンソールから再審査をお願いすれば戻せます(練習用の使い捨てアカウントなら、作り直しても大丈夫)。

数字と、正直な気持ち

長いメールを1通読み直すのに、わたしはだいたい3分くらいかかっていました。下まで読んで、上に戻って、もう一度読んで。1日に何通も来れば、それだけで10分、15分。

その「読み直し」が、まず3行に目を通す数十秒に変わりました。消えたのは時間だけじゃありません。「あの長いメール、まだ読めてないな」という、一日じゅう頭の片隅に居座っていた小さな負債感が、すっと軽くなったんです。

正直に言うと、要約がいつも完璧なわけではありません。たまに、ニュアンスを取りこぼすこともあります。でも、原文はちゃんと残っている。「ここは大事そう」と思ったら、元のメールを開いて確かめればいい。だから安心して、まずは3行から入れる。任せて気が楽になる線は、たぶんそこでした。

次回予告:受信トレイを、毎朝3行ダイジェストに

今日は「気になる長いメール1通に、ラベルを貼って要約してもらう」でした。次回はその発展形です。

ラベルを貼ることすらせずに、毎朝きまった時間に、その日見ておくべきメールが“3行ダイジェスト”でまとめて届く——受信トレイを開く前に、今日の全体像が分かっている。そんな仕組みを、また一つずつ分解していきます。コードが書けなくても、AIに任せて同じところへたどり着けます。

→ その回を公開しました:毎朝、未読メールを“自動で要約”して1通に


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