毎朝1通、追いたい分野の見出しが届くようになった。——でも、ふと「そういえば先週の教育DX、どんな動きだったっけ?」と思ったとき、わたしはまだ、何も答えられませんでした。
今回は、その最後のひと押し。ためてきた見出しに、そのまま"質問"できるようにします。 前回(応用編その2・リサーチ秘書)の最後で「次は、ためた見出しに"質問できる"ところまで」とお約束した、その続きです。
- 「先週の、あれ、なんだったっけ」——思い出せない朝
- 結果から言います = チャットに話しかけると、台帳をさかのぼって答えてくれる
- これは、あの「静かにためていた台帳」を"起こした"だけです
- 話しかけるのは、「AI秘書」チャットの入力欄ひとつだけ
- 【手順】明日を待たず、いま1回だけ質問してみる
- なぜ最初に「有効化」を1回だけ押すのか
- この秘書は、検索ともチャットAIとも違います = "記録の範囲だけ"で答える
- この秘書が、質問されても絶対に超えない4本の線
- ここは正直に = 答えの末尾に、毎回ついてくるもの
- 同じものを作る:AIに渡す"チャットで質問する"プロンプト
- つまずき先回り
- 正直な限界(先に言っておきます)
- 次回予告:同じチャットが、もっといろいろ引き受ける
「先週の、あれ、なんだったっけ」——思い出せない朝
前回までで、朝の渋滞はずいぶん軽くなりました。追いたい分野を表に並べておけば、毎朝きまった時刻に、要点つきの見出しが1通届く。情報を「取りに行く」毎朝が、「ひと目だけ眺める」毎朝に変わった。それは、たしかに楽になったんです。
でも、しばらく続けていると、別の引っかかりが顔を出してきました。会議の前、同僚との立ち話で「そういえば先週、教育DXで大きい動きがありましたよね」と振られて——あれ、なんだったっけ、と言葉に詰まる。毎朝ちゃんと目を通していたはずなのに、いざ「先週の流れ」を聞かれると、頭の中でばらばらの見出しが散らかっているだけで、すっと出てこない。届いたメールをさかのぼってスクロールして、「えーと、これと、これと……」と探し始める。結局その場では答えられず、あとで「あ、あれだったか」と思い出す。
これ、白状すると、ずっとわたし自身のことでした。情報は毎日もらっているのに、それが自分の中で「先週はこうだった」という形に、ちっとも積み上がっていかない。受け取った端から、こぼれていく感じ。届くようになったからこそ、今度は「ためたものを使いきれていない」という、新しい後ろめたさが生まれていたんです。——届けてもらうことと、ふりかえれることは、別なんだ。もし、いま胸のどこかで「うんうん」とうなずく気持ちがあるなら。この先は、たぶんあなたのための回です。
結果から言います = チャットに話しかけると、台帳をさかのぼって答えてくれる
いまは、その「思い出せない」が、ずいぶん軽くなりました。やることは——たった1つです。
「AI秘書」というシートの黄色い入力欄に、聞きたいことを話し言葉で書いてEnter。 例:「先週の教育DXで大きかった動きは?」
それだけで、数十秒後、すぐ下に秘書の返事が出ます。こんな形です。
🧑 あなた:先週の教育DXで大きかった動きは?
🤖 秘書:先週の教育DXでは、「デジタル教科書、来年度から……」「GIGAスクール端末の更新費、自治体が……」という見出しが記録されています。校務での生成AI活用にふれた見出しも見られました。いずれも見出しからの範囲なので、くわしくは元記事でご確認ください。
【根拠】
・デジタル教科書、来年度から……
・GIGAスクール端末の更新費、自治体が……※台帳の見出しから答えています(本文は未読・真偽判定なし)。最後は元記事で確認を。
メニューを押す必要も、期間や分野をプルダウンで選ぶ必要も、ありません。チャットに、ふつうの言葉で話しかけるだけ。「先週」と書けばAIが直近の記録を、「今月どうだった?」と書けばもっと広く——こちらが日本語で書いた問いから、AIが"いつごろの・どの話か"まで読み取って、台帳をさかのぼって答えてくれます。そして答えの下には、ふつう【根拠】として、AIが拠りどころにした見出しが並びます(AIが返したぶんだけ、コードがそえます)。何を見て言っているのかが、その場でたどれる。
立ち位置が、また一つ動きました。前回は「向こうから届けてくれる」でした。今回は、「ためた記憶に、こちらから話しかけられる」。届けて終わりだった毎朝が、"話しかければ答えてくれる"毎朝に変わったんです。
正直に言うと、今回もわたしはコードを一行も書いていません。書いたのはAIで、わたしがやったのは、できあがった仕組みに「チャットで質問できるようにして」とお願いして、出てきたものを貼って、あとは話しかけただけ。それが、このブログのやり方です。
これは、あの「静かにためていた台帳」を"起こした"だけです
種明かしをすると、これはまったくの新発明ではありません。前回、こっそり仕込んでおいた伏線を、ようやく回収する回です。
前回(リサーチ秘書の回)の終わりで、わたしはこう書きました。「いまの台帳は、通知してくれるbotから本物のリサーチ秘書へ育つための、最初の貯金なんです」と。
覚えていますか。あの秘書は、毎朝の見出しを「台帳」という名前のシートに、消さずに記録し続けていました。日付・分野・見出し・媒体・リンク。同じ記事は重ねず、古いものも勝手に消さず、ただ静かに積もっていく。地味で、ふだんは開きもしないシート。あれは、今日のための伏線だったんです。
今回やったのは、その眠っていた台帳を"起こした"だけ。新しく集める仕組みも、新しいAIも要りません。すでに手元にたまっている記録に、「ねえ、これについてどうだった?」と聞ける窓口を、ひとつ足しただけ。だから、前回までで秘書を動かしてきた人なら、もう半分は終わっています。台帳という貯金箱は、もうとっくに貯まり始めているのですから。
もとをたどれば、これは基礎編の長いメールを3行に要約する回で覚えた「読ませて、まとめてもらう」が、ここでもそのまま効いています。あのときは1通のメールをAIに渡しました。今回はそれが「台帳にたまった見出しの束」に変わっただけ。やっていることの芯は、同じです。さらに元をたどれば、基礎編のキーワード→ニュースの回は「送って終わり」で、記憶が残らなかった。あそこに台帳という記憶を足し、その記憶に問いかけられるようにしたのが、今回の到達点です。
話しかけるのは、「AI秘書」チャットの入力欄ひとつだけ
会議の前の、あの「えーと……」を、もう繰り返したくない。——そう思って足したのが、この「AI秘書」という1枚のシートです。前回まで使っていた台帳に、"話しかけて聞ける窓口"がひとつ増えた、と思ってください。
あなたが触るのは、その上のほうにある黄色い入力欄、ひとつだけ。そこに、聞きたいことを話し言葉でそのまま書いて、Enter。プルダウンを選んだり、期間や分野を指定したりは要りません。
- 「先週の教育DXで大きかった動きは?」
- 「最近の生成AIの話題は?」
- 「今月、お金まわりでどんな動きがあった?」
——こんなふうに、ふだん人に聞くのと同じ言い方で大丈夫です。「先週」「今月」「ここ最近」といった言葉から、AIがさかのぼる範囲を自分で見当をつけてくれます。分野も、文の中に「教育」「お金」と入っていれば、そのあたりに寄せて答えてくれる。きっちり選ばせない代わりに、こちらは思いついたまま聞けばいい。
そして答えは、入力欄のすぐ下に、「🧑 あなた」「🤖 秘書」のやりとりとして、新しいものが上に積み上がっていきます。別のメールが飛んだり、新しいファイルができたりはしません。話しかけた場所に、答えが返ってくる。それだけです。もう一度聞きたければ、また入力欄に書いてEnter。何度でも続けられます。コードを開く必要は、一度もありません。
もし、返ってきた答えが短くて物足りなければ、続けて「もっと詳しく」と送ってみてください。直前の質問について、もう少しくわしく答え直してくれます。
【手順】明日を待たず、いま1回だけ質問してみる
「で、結局どこを押せばいいの?」——いちばん知りたいのは、ここですよね。最短ルートは、この3ステップだけです。
- 前回まで動かしてきたスプレッドシートを開く。上のメニュー「リサーチ秘書」→「💬 AI秘書チャットを開く/有効化」を1回だけクリック。これで「AI秘書」というシートが先頭にでき、"話しかけたら答える"準備が整います。(初回はGoogleの許可画面が出ます。前回までと同じ「自分のものを、自分が使うだけ」の許可です。くわしくは許可画面の回に写真つきで。)
- その「AI秘書」シートの上のほうにある黄色い入力欄に、聞きたいことを1つ書く。まずは例のまま「先週の教育DXで大きかった動きは?」でOK。書けたら、そのままEnter。
- 数十秒待つと(混んでいるときは、もう少しかかります)、すぐ下に「🤖 秘書:考え中…」と出て、そのあと答えに変わります。
たったこれだけです。「有効化」を押すのは、いちばん最初の1回だけ。一度押せば「AI秘書」シートが用意され、次からは、そのシートの黄色い欄に書いてEnterするだけ。準備はそれで完了です。

もし台帳がまだ薄い(毎朝の配信を始めたばかり)なら、AIは無理に答えず、「その範囲では、まだ台帳に記録がありませんでした。毎朝の配信がたまると、さかのぼって答えられます」と正直に教えてくれます。これも故障ではありません。貯金が、まだ貯まっていないだけです。1週間ほど毎朝の配信を続けてから試すと、ぐっと答えが厚くなります。
一つだけ、やさしくお願いを。この質問1回も、無料で使わせてもらっているAIの"1〜2回ぶん"を使います。 「言い方を変えたらどうなるかな」と気になって何度も連打すると、前回お話しした「順番待ち」の上限に近づいてしまいます。聞いて、答えを読んで、ひと呼吸。それで十分です。連打さえしなければ、無料の範囲で$0のまま使えます。
なぜ最初に「有効化」を1回だけ押すのか
「シートに書いてEnterするだけで動くなら、最初の"有効化"ってなんなの?」——気になりますよね。ここだけ、ひと言ふれておきます。前回つまずいた話の、続きでもあるんです。
スプレッドシートには、もともと「セルを編集した瞬間に裏で動く」仕掛けがあります。便利そうですが、この"ふつう"の仕掛けには、外のAI(Gemini)を呼んだり、メールを送ったりする"強い権限"が、そもそも与えられていない。前回、シートのチェック欄を押してもメールが届かなかったのと、まったく同じ理由です。だから、ただ書いてEnterしても、ふつうのままでは秘書はAIに聞きに行けません。
そこで使うのが、「有効化」で一度だけ設置する"インストール型"の仕掛けです。これは、あなたが許可したうえで動くので、AIを呼ぶ強い権限を持てる。つまり「有効化」とは、〈書いてEnterしたら、ちゃんとAIに聞きに行ける口〉を、最初に一度だけ取り付ける作業のこと。だから初回に許可画面が出るし、最初の1回だけメニューを押す必要があるんです。
前回は、この権限の壁があったので「メニューから実行する」一本に絞っていました。今回は、その壁を正面から越えられるようになった——だから「シートに話しかけるだけ」が実現できた、というわけです。一度"有効化"してしまえば、あとはもう、入力欄に書いてEnterするだけ。仕掛けのことは、忘れてもらって大丈夫です。
この秘書は、検索ともチャットAIとも違います = "記録の範囲だけ"で答える
「ニュースについて聞くなら、ChatGPTに直接聞けばいいのでは?」——前回までの自分なら、たぶんそう思っていました。でも、この台帳Q&Aを使ってみて、性格がまるで違うことに気づいたんです。
ふつうのチャットAIに「先週の教育DXは?」と聞くと、AIは自分の知識やネット全体から、それらしい答えを組み立てます。便利だけれど、そこに出てくるのは「あなたが追っている分野」とはかぎらないし、ときどき、もっともらしいけれど事実でないことが混じる。
この秘書は、そうではありません。答えの材料にするのは、あなた自身が毎朝集めて、台帳にためてきた見出しだけ。世界中のニュースでも、AIの記憶でもなく、「あなたのリサーチ秘書が、あなたのために集めた記録」が相手です。だから返ってくるのは、あなたの関心にぴたりと沿った、地に足のついたふりかえりになります。
言いかえると、これは「あなた専用の、過去ログに強い秘書」です。検索エンジンは世界を相手にしますが、この子が見るのは、あなたの台帳の中だけ。狭いけれど、その狭さが、いちばんの強みなんです。
この秘書が、質問されても絶対に超えない4本の線
「先週の流れ、ちゃんと答えてほしい。でも、知らないことまで知った顔で言われるのは、いちばん困る」——わたしが質問機能に求めたのは、賢さよりも、その正直さでした。「自分が見たものしか言わない、口の堅い秘書」であってほしかった。質問されても、絶対に超えない線が4本あります。
ひとつ、真偽の判断はしません。 「その話は本当?」と聞いても、正しい・間違っているの判定はしない。できるのは「〜と報じられている」と、記録された見出しの事実を並べるところまで。断定しないのは、誠実さの裏返しです。最後の真偽は、元記事を開いて、あなたが確かめてください。
ふたつ、記事の本文は読んでいません。 AIが見ているのは、台帳にためた「見出し・媒体名・日付」だけ。本文は、そもそも秘書の手元にありません(前回からずっと、この秘書は本文を持っていません)。だから答えも、あくまで「見出しから読み取れる範囲の見当」にとどまり、見出しに無いことは、推測で補いません。
みっつ、記録に無いことは、正直に「分かりません」と言います。 台帳にためた見出しが、この秘書の世界のすべて。台帳の外のことは、知らない。だから範囲外の質問には、無理にそれっぽい答えをひねり出さず、「記録の範囲では分かりません」と返すよう、AIに頼んであります。
よっつ、根拠を見せようとします。 答えには、根拠にした見出しを2〜4本そえるよう、AIにお願いしています。「どこから言っているか」がたどれる答えを目指しています(AIが根拠を返してくれたぶんを、コードがそのまま【根拠】として並べます)。
この4つは、わたしの心がけではなく、AIへの指示としてコードの中の文章にそのまま書き込んであります(「真偽の判断はしない」「本文は読んでいないので推測で補わない」「記録に無いことは正直に言う」と、言葉どおりに)。だから、お願いの軸はいつも同じ。——なんでも自信満々に答えるより、「これは記録にないので分かりません」と言ってくれること。わたしは、その正直さに何度も助けられました。
ここは正直に = 答えの末尾に、毎回ついてくるもの
その4本の線を、毎回かならず目に見える形にしているのが、答えの末尾です。秘書の返事の後ろには、毎回かならずこの一文が連結されます(文言がブレないよう、ここはAIに書かせず、コードに固定の文字列として埋め込んであります)。
※台帳の見出しから答えています(本文は未読・真偽判定なし)。最後は元記事で確認を。
短い一文ですが、ここに、この秘書の"性格"がぜんぶ詰まっています。〈見出しから答えている〉〈本文は読んでいない〉〈真偽は判定していない〉〈最後は自分で元記事を確認する〉。毎回これが目に入ることで、答えの受け取り方が、自然と「うのみにせず、入口として使う」方向にそろう。便利な道具ほど、こういう"但し書き"を毎回そえてくれるかどうかが、信頼の分かれ目だと思っています。
もうひとつ、こまかいけれど正直に。秘書がいちどに読めるのは、台帳のうち直近のぶん(だいたい120件まで)です。記録がうんと育つと、いちばん古いところまで一字一句ぜんぶ読んで答えるわけではない——新しいほうから読んで答えます。だから「半年前のことまで完全に網羅して」というわけではない。そこは、できることの線として正直に。それでも、台帳が育つほど答えが厚くなる方向は変わりません。
同じものを作る:AIに渡す"チャットで質問する"プロンプト
「自分のリサーチ秘書にも、この話しかけて聞ける窓口を足したい」——やり方は、前回とまったく同じです。中身は自分で作りません。しかも今回も、ゼロから作り直す必要はありません。 前回応用編その2で作ったリサーチ秘書が、もう手元にあるはず。やることは、その既存のコードに「チャットで話しかけて、ためた台帳に質問できる窓口」を足してもらうこと。ChatGPTやGeminiのような対話AIに、前回貼ったコードを見せたうえで、「チャットで質問できるようにして」とお願いするだけです。読者であるあなたが、コードを読む必要も、書く必要もありません。
ひとつだけ、先にことわっておきます。今回足すのは、"話しかけて台帳に質問する"窓口だけです。同じチャットで「○○も追って(設定を変える)」「今週のまとめ」「見出しを地図に」…とお願いできるようにする話は、次回ていねいにお見せします。今回は、まず「ためた見出しに、話しかけて質問できる」ところまで。
具体的には、こんな趣旨をAIに伝えます(前回貼ったコードを、いっしょに渡してください)。
- 「AI秘書」という新しいシートを1枚作る(無ければ作る・既存のシートは壊さない・先頭タブに)。上のほうに、目立つ黄色い入力欄をひとつと、やりとりを新しい順に積んでいくログを置く。
- メニュー「リサーチ秘書」に「AI秘書チャットを開く/有効化」を1項目足す。これを押すと、"インストール型"の自動の仕掛け(書いてEnterに反応する口)を1つ取り付ける。チェック欄や"ふつう"の自動の仕掛けでは動かさない(前回と同じ=ふつうの仕掛けには外のAIを呼ぶ権限が無いため。インストール型なら、許可のもとでAIを呼べる)。
- 入力欄に書いてEnterすると、その仕掛けが動いて、入力欄を空にし、ログに「あなたの発言」と「考え中…」を出してから、台帳を読んでAIに答えさせ、「秘書の答え」に書き替える。答えるときは、台帳から、質問文に合う期間ぶんの見出しだけをAIに渡し、記録された見出し・媒体・日付から読み取れる範囲だけで答えさせる。本文は読んでいないので推測で補わない/真偽の判断はしない(「〜と報じられている」調)/記録に無ければ「記録の範囲では分かりません」と正直に。
- 答えには根拠にした見出しを数本そえるようAIに頼み、末尾に固定の免責(本文未読・真偽判定なし)を必ず連結する。免責はAIに毎回書かせず、コードに固定文字列で持たせる。台帳は"読むだけ"で、消したり書き替えたりは一切しない。
- AIが混雑したら少し待って数回やり直し、それでもダメなら「いま混雑しているようです(壊れていません)」と返す。1回の質問でAIを呼ぶのは1〜2回まで(無料枠で$0を守る・連打しない)。
頼むときのコツは、「やってほしいこと」だけでなく、「やってほしくないこと」(真偽判定しない・本文を読まない・推測しない・台帳を壊さない)まで正直に念押しすること。お願いの大半が"やらないこと"の念押しになるのは、誠実さを取り決めているからです。このとおりに頼めば、AIが「AI秘書」シートを用意する処理も、話しかけに答える処理も、まとめて書いて返してくれます。あとは、出てきたものを前回のコードに足して貼り直し、最初に一度だけメニューの「AI秘書チャットを開く/有効化」を押すだけ。このときに、トリガーを取り付けるための許可画面が一度出ます(許可画面の回に写真つき)。一度すませれば、あとは話しかけるだけです。
そして、それを実際にAIへ伝える"貼る文"が、これです。下の枠を丸ごとコピーして、前回貼ったリサーチ秘書のコードと一緒に、対話AI(ChatGPT / Gemini など)に渡してください(中身の意味は分からなくて大丈夫。前回と同じで、貼るだけです)。いちばん下に「ここにコードを貼る」とあるので、その続きに、前回貼ったコードをそのまま貼り付けます。
あなたはGoogle Apps Script(GAS)の熟練エンジニアです。下に貼る「リサーチ秘書」の既存コード(毎朝ニュースを集めて台帳にためる仕組み)に、"チャットで話しかけて、ためた台帳に質問できる窓口"を足してください。既存の動き・関数・シートは壊さず、追加だけしてください。専門用語の説明は不要。コードと、コード内の日本語コメント(非エンジニアにも分かる代弁口調・誇大なし・正直)だけを返してください。
【足すもの(一言)】
「AI秘書」というシートの入力欄に質問を書いてEnterすると、台帳に記録ずみの見出しだけをAIが読んで、その質問に答えてチャットのように返す機能。例「先週の教育DXで大きかった動きは?」→直近の記録から、答えと、根拠にした見出しを返す。【絶対にやらないこと(正直に・コメントにも明記)】
・真偽の判定はしない。記録された見出しの事実を「〜と報じられている」と整理するだけ。
・記事の本文は読まない(台帳にあるのは見出し・媒体・日付・リンクだけ)。見出しに無いことは推測で補わない。
・台帳に無いことは作らない。範囲外は「記録の範囲では分かりません」と正直に返す。
・破壊的操作はゼロ(台帳は読むだけ・チャットのログに書くだけ。既存の削除や上書きはしない)。【UI=「AI秘書」シート】
・「AI秘書」シートが無ければ作る(あれば壊さない・先頭タブに)。上に説明バナー、その下に目立つ黄色い"入力セル"(例:A2)、さらに下に「やりとり」のログ(新しいやりとりほど上に積む)を置く。先頭の数行(バナー・入力欄・見出し)は固定表示にする。
・メニュー「リサーチ秘書」(onOpen)に「AI秘書チャットを開く/有効化」を1項目足す。これを実行したら、ハンドラ関数を呼ぶ"インストール型のonEditトリガー"を1つ作る(同じ関数の既存トリガーは消してから作り直す=二重発火を防ぐ)。
・チェック欄や"単純トリガーのonEdit"では動かさない。理由=単純トリガーには外部AI(Gemini)を呼ぶ権限が無いため。インストール型トリガーなら、利用者の許可のもとでAIを呼べる。【動き=書いてEnterしたら】
・インストール型onEditのハンドラで、編集されたのが「AI秘書」シートの入力セルかを確かめ、そこに書かれた文字(=質問)を読む。空なら何もしない。
・多重実行を防ぐため LockService でロックを取る。まず入力セルを空にし(※プログラムからの setValue は onEdit を再発火させないので、これで無限ループにはならない)、ログの先頭に「あなた:(質問)」と「秘書:考え中…」を書いて SpreadsheetApp.flush() で先に画面へ出す。
・そのあと台帳を読んで答えを作り、「秘書:考え中…」を実際の答えに書き替える。失敗しても全体が壊れないよう、ハンドラは try/catch で囲む。【中身=答えの作り方】
・質問文から、さかのぼる期間を見当づける(「先週・今週」=7日、「2週間」=14日、「今月・30日」=30日、「これまで・全部」=全件、不明なら7日)。台帳をその期間で絞り、直近120件まで(多い場合は新しいほうから120件)を {日付,分野,見出し,媒体} の配列にして Gemini に渡す。台帳の日付は yyyy-MM-dd 文字列なので、文字列比較で期間を判定してよい。
・絞った見出しが0件なら、「その範囲では、まだ台帳に記録がありませんでした。毎朝の配信がたまると、さかのぼって答えられます」と返して終了。
・Geminiへのプロンプトで「記録された見出し・媒体・日付から読み取れる範囲だけで答える/本文は読んでいないので推測で補わない/真偽の判断はしない(〜と報じられている調)/記録に無ければ『記録の範囲では分かりません』/答えは3〜4文で簡潔に/根拠にした見出しを数本そえる」と指示。返答はJSONで {"答え":"…","根拠の見出し":["…"]} の形にさせる。
・Geminiが混雑(429/503)なら短い待ちで数回やり直す。それでもダメなら「いまAIが混雑しているようです。少し待って、もう一度送ってください(壊れていません)。」を返す。
・1回の質問でGeminiを呼ぶのは1〜2回まで(無料枠で$0を守る・連打しない設計)。【答えの体裁(チャットのログに書く)】
・AIの「答え」を先に。続けて根拠があれば「【根拠】」のあと、AIが返した根拠の見出しを箇条書き(返ってきたぶんだけ)。
・末尾に固定の免責を必ず連結する(AIに毎回書かせず、コード内の固定文字列で持つ):「※台帳の見出しから答えています(本文は未読・真偽判定なし)。最後は元記事で確認を。」【既存コードとの統合】
・既存のGemini呼び出しの共通部品と、台帳の列(日付・分野・キーワード・見出し・媒体・媒体タイプ・リンク)を再利用してよい。台帳を期間で絞って配列を返すヘルパを1つ足してよい。
・既存の「毎朝実行」「まず試す」「PDF」「整える」などの動きは一切変えない(追加のみ)。では、以下が、いま動いている『リサーチ秘書』のコードです。これに上の機能を足した完成形を返してください:
(★ここに、前回の記事で貼ったリサーチ秘書のコードを、まるごと続けて貼り付けてください)
このとおり、頼みごとの大半が"やらないこと"の念押しです。でも、それでいい。「賢くしてください」より「知らないことは知らないと言う秘書にしてください」と頼むほうが、毎日となりに置いておける相棒になる——わたしは、そう思っています。
つまずき先回り
実際にわたしがつまずいた場所を、先回りで。どれも「壊れた」わけではない、というのが共通点です。
書いてEnterしても、何も起きないとき。 いちばん多いのは、最初の「有効化」をまだ押していないケースです。「AI秘書」シートに書き込んでも、有効化していないと、秘書はまだAIに聞きに行く口を持っていません。上のメニュー「リサーチ秘書 → AI秘書チャットを開く/有効化」を一度押してから、もう一度書いてEnterしてみてください(初回は許可画面も出ます)。
「その範囲では、まだ台帳に記録がありませんでした」と出たとき。 これは故障ではありません。多くは、台帳がまだ薄い(毎朝の配信を始めたばかり)か、聞いた期間にその分野の新着がなかったかです。「最近どう?」「これまでで○○は?」のように、すこし広めに聞き直してみてください。それで答えが返れば、台帳はちゃんと貯まっています。始めたばかりなら、数日ぶん配信がたまるのを待ってからが、いちばん気持ちよく使えます。
答えが薄いとき。 たいてい聞く範囲が狭いだけです。「先週」より「今月」、分野を指定するより「最近の話題は?」と全体から。薄いのは、台帳が壊れているからではなく、見る範囲が狭いだけのことが多い。広げて聞き直せば、厚みのある答えが返ってきます。逆に、短い答えで物足りないときは「もっと詳しく」と送れば、長めに答え直してくれます。
「混雑しているようです」と出るとき。 これも前回と同じ、無料のAIの「順番待ち」か「混雑」です。「いまAIが混雑しているようです。少し待って、もう一度送ってください(壊れていません)。」と出たら、ひと呼吸おいて、もう一度。壊れてはいません(裏側では、混雑時に少し待ってから何回かやり直し、それでもダメなときにこの表示になります)。1回の質問でAIを呼ぶのは1〜2回までなので、「1回聞いて、ひと呼吸」を守っていれば、まず当たりません。連打したわたしが特殊なだけです。
答えがなかなか出ないとき。 書いてEnterすると、まず「🤖 秘書:考え中…」と出て、数十秒たってから答えに変わります。混んでいるときは、もう少しかかることも。「考え中…」が出ていれば、ちゃんと動いています。そのまま待ってください。なお、この機能がやっているのは台帳を「読む」のと、やりとりのログに「書く」だけで、台帳の記録を消したり書き換えたりは一切しません。 だから、何度試しても、まず壊れません。
正直な限界(先に言っておきます)
このブログのやり方として、できないことは先に言います。この質問機能にも、はっきりした限界があります。
- 答えは「台帳に記録された見出し」が天井です。 集めていない分野のことも、動かす前の過去のことも、当然分かりません。「もっと広く聞きたい」なら、前回の設定シートで追う分野を増やして、台帳を育てるのが先。
- 本文は読めないので、深い中身までは答えられません。 「で、その記事って具体的にどういう内容?」には、見出しから読み取れる範囲までしか答えられない。最後はリンクから元記事へ。
- 真偽は判定しません。 「これは本当?」には答えません。集めた見出しを整理して、確かめる入口を示すところまで。そこは前回から一貫して、人が握る設計です。
- 答えは短めです。 一度にずらずら長くは返しません(読みやすさ優先)。もっと知りたいときは「もっと詳しく」と送る——その段階で深掘りする形にしてあります。
そして、うれしい報告も。前回は「LINEで対話しながら聞くのは、まだ先」と書きました。今回、その先に手が届きました。 スプレッドシートを開かなくても、スマホのLINEから同じ秘書に話しかけて、台帳に質問できるようになっています(LINEの答えは、画面が小さいぶん、とくに短めに)。前回の"まだ先"が、ひとつ"いま"になった——これも、台帳という貯金を続けてきたからこそ、です。
——答えてくれる相手が、こうして自分の限界を正直に申告してくれること。そして、できることが少しずつ増えていくこと。わたしは、そこにいちばん安心しました。
次回予告:同じチャットが、もっといろいろ引き受ける
これで、毎朝届くだけだった秘書が、「ためた記憶に、話しかけられる」秘書になりました。前回の予告どおり、ここまでたどり着けました。もう「通知してくれるbot」ではなく、ためた記憶に話しかけられる、本物のリサーチ秘書です。
そして、面白いのはここからです。今回作ったこの"話しかける窓口"は、台帳Q&Aだけのものではありません。 同じチャットに、ほかのお願いも覚えさせていけます。次回以降、こんなことを——メニューを探さず、ぜんぶ同じ場所に話しかけるだけで——できるようにしていきます。
- 集める分野を、話しかけて変える。 「医療のニュースも追って」「金融はもういい」——設定シートを開かなくても、チャットでお願いするだけ。
- 今週のまとめ。 「今週どうだった?」と聞けば、台帳から今週の流れを1枚に。質問の、いわば"向こうから振り返らせてくれる"版です。
- 見出しを"地図"にする。 「地図にして」で、ためた見出しを放射状のマインドマップ(Markmap)に貼れる形に。前回まで「今回はやりません」と見送ってきた、あの図です。
- 集めたいことを書くだけで、AIが設定してくれる。 キーワードの書き方に悩まなくてよくなります。
今回はまず、"話しかけて質問する"ところまで。残りの使い方は、次回ていねいにお見せします。 どれも、実はもう手元で動いています。だから「いつか作れたらいいな」ではなく、自信をもって言えます。届けて終わり→話しかければ答える、ときて、次は「○○も追って」「今週どうだった?」と、ぜんぶ同じチャットに頼める毎朝へ。コードが書けなくても、AIに任せて、ちゃんと同じところへたどり着けます。ここまで手を動かしてきたあなたなら、もう、怖いものはありません。
→ 公開しました:育てる編②|「医療も追って」で集める分野を増減できる(設定変更)
※ この記事で作る質問機能の答えは、台帳に記録された見出しから作っています。本文は読んでおらず、真偽の判定もしていません。色分けや媒体の種類は"信じてよい印"ではなく、自分で確かめるための"目印"です。記録に無いことには「記録の範囲では分かりません」と正直に返します。最後は必ず元記事を開いて、ご自身でご確認ください。混雑などで答えが返らない日もありますが、壊れてはいません。少し待って、また試してください。
このシリーズのこれまで:創刊号(入口)/記事01:フォーム回答をメールで受け取る/記事02:フォーム回答をLINEに即時通知/記事03:フォーム回答を毎朝自動集計してLINEに通知/記事04:名簿から差し込みメールを一斉送信/記事05:長いGmailをAIで3行+やることリストに/記事06:毎朝、未読メールを自動で要約して1通に/記事07:たまった自由記述を、AIでテーマ別に分類・集計/記事08:登録キーワードのニュースを、毎朝LINEに/応用編その1:AI秘書「ぽけっと手帳」(全体像)/応用編その2:リサーチ秘書(追いたい分野のニュースが毎朝1通)/育てる編①:ためた見出しに"質問"できる(台帳Q&A)(この記事)/育てる編②:「医療も追って」で集める分野を増減(設定変更)/育てる編③:「今週どうだった?」でためた台帳を週次まとめ/育てる編④:「地図にして」でためた見出しを放射状の地図に(見出しマップ)/育てる編⑤:「再エネ政策を追いたい」で検索語まで含む設定をAIが設計(設定アシスタント・完結)/応用編その3:受発注・請求 秘書(受注が来たら、選ぶだけで見積書・請求書のPDFに)/受発注 育てる編①:入金消込・督促・領収書PDF/受発注 育てる編②:受注した瞬間に在庫を押さえる/受発注 育てる編③:発注点アラートと発注書PDF/受発注 育てる編④:月次集計・売上グラフ・会計CSV(最終回)/基礎編:URLひとつで“自分の申込ページ”を作る(Webアプリ)/基礎編:申し込まれた瞬間に、確認メールが自動で返る/基礎編:申し込んだら、控えのPDFが自動で届く/基礎編:申込の控えが、勝手にドライブへ積み上がっていく/基礎編:申込のひとことを、届いた瞬間にAIが仕分ける/基礎編:誰も画面を開いていないのに、毎朝まとめが届く/基礎編:申込が来た瞬間、ポケットのLINEが鳴る(最終回)/応用編その4:申込・予約 秘書(満席の瞬間、ページが自分から閉まる)/申込・予約 育てる編①:キャンセル待ちと自動繰り上げ/申込・予約 育てる編②:承認制とお断り下書き/申込・予約 育てる編③:前日リマインダーと毎朝まとめ/申込・予約 育てる編④:管理ページ(最終回)
#GAS #AI要約 #台帳 #ふりかえり #コピペOK



コメント