文面がちがうだけの2回のテストで、結果が変わった
いきなりですが、今日いちばん驚いた場面からお話しさせてください。
これまで作ってきた受付ページには、「ひとこと(任意)」という自由記入の欄があります。今回、そこに届いた文章をAIに読ませる仕組みを足しました。コードを頼んだら、AIはひとこと入りのテスト用申込を2つ用意してくれていて、わたしはそれを順番に実行しただけです。
1回目。ひとことが「会場に駐車場はありますか?」になっている動作確認を実行します。すると、シート「申込一覧」のいちばん右にできた新しい列「AI仕分け」に、「質問」という札が入りました。そして数秒後、自分あてに【返事が要る申込】という件名のメールが、確認メールとは別にもう1通届いたんです。開くと申込の内容と例のひとことが載っていて、「内容を確認して、必要ならお返事をどうぞ」とある。
2回目。今度は、ひとことが「当日を楽しみにしています!」になっている、もう一つの動作確認を実行します。列には「あいさつ」。そして——メールは来ません。待っても、来ない。
同じ形のテストを、文面ちがいで2回。それだけで、機械が文章を読み分けて、返事が要りそうなときだけ、わたしに知らせてきた。正直、ここでちょっと鳥肌が立ちました。

そもそもの困りごとは単純です。ひとこと欄には、たまに本物の質問が入ります。「駐車場はありますか」「持ち物はありますか」。でも、わたしが申込一覧のシートを開くのは数日に一度。質問に気づかないまま当日が近づいていくのが、ずっと怖かったんです。
結果から言います = GASは、文章をAIに読ませて、答えを“次の動き”に使えた
今回いちばん驚いたことを、先に言ってしまいます。
GASは、届いた文章をAIに読ませて“判断”をもらい、その答えを、プログラムの続きの動きに使える。
分解すると3つです。①届いたひとことを、その場でAI(Gemini・無料の枠で使えるもの)に読ませる。②「質問/要望/あいさつ」のどれか1語で答えをもらい、シートの「AI仕分け」列に書き込む。③そして——その答えしだいで、続きの動きが変わる。「質問」のときだけ、自分あてにアラートを1通足す。それ以外のときは、何もしない。
今日の主役は③です。①②だけなら「AIに聞いてみた」で終わりですが、③があるから、AIの判断が仕事の流れに組み込まれる。「返事が要る申込」だけが、向こうからわたしの受信箱に飛び込んでくるようになりました。
思えば、これまで開けてきた引き出しは、どれも“毎回同じ動き”をする道具でした。申込が来たら、記録して、メールを送って、控えを作って、ドライブに置く——ひとことに何が書いてあっても、やることは変わりません。今日はじめて、届いた文章の中身しだいで、プログラムの動きが変わりました。ここが、これまでとのいちばんの違いです。
受付ページがまた高機能になった、という話ではありません。受付ページは、この新しい道具を試すのにちょうど手元にあった練習台です。持ち帰ってほしいのは「届いた文章をAIに読ませて、答えをプログラムの続きに使える」という形そのもの。文章が届く場面なら、題材を変えて同じ形が使えます。
そして毎度のことですが、わたしはコードを一行も書いていません。 AIに頼んで、返ってきたものを貼って、動かしただけです。——ややこしいので一言そえると、この記事には“AI”が2つ出てきます。コードを書いてくれるAI(いつもの相棒)と、仕組みの中で文章を読むAI(Gemini)。わたしが一行も書いていないのは前者の話で、今日の新顔は後者です。
今日の一点:④「AI」の引き出しを、別の開け方でもう一度開ける
このブログでは「GASでできること」を、①集める ②知らせる ③書類 ④AI ⑤定期 ⑥つなぐ ⑦自分の画面——という7つの引き出しにたとえて、一つずつ開けています。この受付ページの教材では、⑦受付ページ、②確認メール、③控えPDF、①ドライブ保存と開けてきました。今日は④「AI」です。
今日の一点は、たった一つ。GASは、届いた文章をAIに読ませて“判断”をもらい、その答えを次の動きに使える。 これまで「シートに書く」「メールを送る」「PDFを作る」「ドライブに集める」とやってきた道具箱に、「文章を読ませて、判断させる」という別の道具が一つ増えます。
ここで、正直に線引きをしておきます。じつは④の引き出しは、このブログのごく初期に一度開けています。フォームに集まった自由記述の回答を、あとからAIにまとめて仕分けてもらう回でした。だから今日は、新しい引き出しではありません。同じ④を、別の開け方でもう一度開ける回です。
何が違うのか。3つあります。(a) 教材——あのときは既製のフォームでしたが、今回は自分で作った受付ページの中に組み込みます。(b) タイミング——あのときは“たまってから、まとめて”。今回は“届いた、その瞬間に、1件ずつ”です。そして(c) 答えの使い道——あのときは、仕分けの結果を人間が眺めるところまででした。今回は、AIの答えをプログラムがその場で使います。「質問」という答えが返ってきたときだけ、アラートを1通送る。この(c)が、今日いちばんの新しさです。前の回が“まとめて眺める仕分け”だったとすれば、今回は“判断が仕事の流れに組み込まれる”回です。
しくみ:AIの仕分けは、“あとから貼る付箋”でした
中身は読まなくて大丈夫なのですが、「AIが失敗したら申込ごと壊れない?」だけ、種明かしをしておきます。ここが今回の安心の芯だからです。
AI仕分けは、四段構えの最後尾にいます。 これまでの三段構え——①申込を記録する→②確認メール+控えPDFを送る→③ドライブに保存する——の後ろに、④AI仕分けが付きました。段どうしは互いに巻き込まないよう独立させてあるので、後ろの段がコケても前の段は無傷。AI仕分けは、言ってみれば記録が終わった行に“あとから貼る付箋”です。付箋が貼れなくても、列が空欄になるだけで、申込の記録も、確認メールも、控えも、ぜんぶ無事です。
答えの受け取り方にも、保険をかけてあります。 AIには最初から「質問・要望・あいさつの3語のどれか1つだけを、決めた型で返して」と縛って頼みます。そして、返ってきた答えがその3語のどれかのときだけ採用し、それ以外なら札を貼りません。AIが気を利かせて長々と説明してきたり、いたずらのような文に変な答えを返したりしても、シートが汚れないための保険です。ちなみに、ひとことが空欄の申込は、AIを呼ぶまでもなく「なし」と書きます(無料の枠も使いません)。
申込者を待たせない工夫も入っています。 申込した人は、画面の前でお礼画面を待っています。だからAIには“考え込まずに即答”する設定で頼み、混雑していても粘りません(ひと呼吸おいて1回だけ取り直し、だめなら諦めて空欄)。それでも正直に言うと、お礼画面が出るまで、いつもより1〜3秒ほど延びます。AIに読ませているぶんの待ち時間です。
安心材料をひとつ。このAIの呼び出し方は、当ブログのリサーチ秘書——毎朝ニュースを集めてくれる仕組み——で本番稼働しているものと、同じ書き方です。毎日動いている実績のある形を、そのまま持ってきています。
つまずき帳:今回は3つあります
今回は「GASの外にいるAIと話す」という初めてのことをするので、ひっかかりも新顔です。先に正直に置いておきます。
つまずき①:AIと話すには、「入場券」が要ります。
APIキーと呼ばれる長い文字列です。AI Studioというグーグルのサイトで発行できて、課金に結びつけていないプロジェクトで作れば、無料のまま使えます。ここで大事なのが持ち方。このキーは自分のAI利用口に通じる“合鍵”なので、コードの中に直書きしません。GASにはスクリプトプロパティという金庫(プロジェクトの設定の中にあります)が用意されていて、決めた名前(GEMINI_API_KEY)でそこにしまい、コードは金庫から読み出します。こうしておけば、コードを丸ごと人に見せてもキーは漏れません。もし誰かに見られたら、作り直せばいいだけです。——実際、わたしは一度作り直しました。作業のスクショに、キーがうっすら写り込んでいたからです。
つまずき②:3つ目の新しい許可、「外部サービスへの接続」が出ます。
これまでの許可を並べると、道すじが見えます。⑦受付ページは許可なし、②確認メールで「メールを送る」、③控えPDFは許可なし、①ドライブで「Googleドライブのファイルの表示・管理」。そして今回、初めて動作確認を実行すると——「外部サービスへの接続」を含む新しい許可画面が出ます。GASが、外にいるAIと話すための許可です。びっくりするかもしれませんが、正常です。自分の作った仕組みが、自分で登録したAIのところへ、文章を読んでもらいに行く。それだけのことなので、安心して[許可]を押して大丈夫です。許可の物語が、また1ページ増えました。

つまずき③:AIの答えは、揺れます。
ここがいちばん大事な正直ポイントです。同じ文でも、AIは日によって違う札を貼ることがありえます。質問なのに「要望」と貼ることもある。だからこの仕組みは、三重の構えにしてあります。(a) 3語のどれか以外は受け取らない保険、(b) アラートメールの末尾に「※この仕分けはAIによる自動判定です。たまに読み違えることがあります。」という但し書き、(c) そして最後は、人間が中身を見て返事をするという前提。AIは“下読み係”であって、決裁者ではありません。この線を引いておくと、安心して任せられます。
作り方の体験:金庫にしまって、貼って、[許可]を押しただけ
1. 入場券を発行して、金庫にしまう
AI Studioで無料のキーを発行し、GASの「プロジェクトの設定」からスクリプトプロパティに登録します。今回はコードを貼る前に、このひと手間だけありました。
2. コードを貼り替える
いつもどおり、AIが返してくれたコードに貼り替えて、保存します。中身は読まなくて大丈夫です。

3. 動作確認その1(質問)→ 新しい許可
「駐車場はありますか?」のテストを実行すると、つまずき帳で予告した「外部サービスへの接続」の許可画面が出るので、[許可]を押します。結果は冒頭でお話ししたとおり——シートに「質問」の札、自分あてに【返事が要る申込】が1通です。
4. 動作確認その2(あいさつ)→ 鳴らない
「当日を楽しみにしています!」で実行すると、列に「あいさつ」と入って、アラートは来ません。冒頭の“鳴った・鳴らない”の対比は、この2回の動作確認のことでした。
5. 公開し直して、スマホから本番
再デプロイをして、受付ページをスマホで開き、ひとことに「当日の持参物を教えてください。」と入れて本番どおり申し込みます。お礼画面はいつもよりひと呼吸遅れて出て——シートに記録、確認メールに控えPDF、ドライブにも控え、「AI仕分け」列に「質問」、そしてアラートが1通。四段ぜんぶが、スマホの指一本で全自動でした。「金庫にしまって、貼って、[許可]を押しただけ」——これが、このブログのいつものやり方です。

正直に、これはできません
AIが入る回こそ、できないことを盛らずに置いておきます。
- AIは読み違えます。 質問なのに「要望」の札が付くことも、その逆もありえます。アラートは“気づくきっかけ”であって、返事をするかどうかは人間が中身を見て決める前提です。
- お礼画面が1〜3秒遅くなります。 AIに読ませるぶんの待ち時間です。ゼロにはできませんでした。
- 無料の枠には、1日の回数上限があります。 講座やイベントの受付の規模ならじゅうぶんですが、大量の申込が一気に来る用途には向きません。
- 3語の仕分けしかしません。 内容を要約したり、返事の下書きを作ったりまではしません。それはまた別の回の話です。
- 同時に申込が重なると、札が隣の行にずれることが、稀にあります。 その場合も申込の記録そのものは無事です。
ひと言でまとめると——AIの下読みは、完璧ではありません。でも、「返事が要る申込に、その日のうちに気づける」。それだけで、わたしにはじゅうぶんでした。
次の引き出しへ
今日は④「AI」の引き出しを、別の開け方でもう一度開けました。分かったのは、GASはAIに文章を読ませて、その判断を仕事の流れに組み込めるということ。題材は申込のひとことでしたが、大事なのはそこではありません。「機械が文章を読んで、答えしだいで次の動きが変わる」——この形が、貼っただけで手に入ると分かったことです。
7つの引き出しのうち、⑦②③①④の5本を開けました。残りは⑤「定期」(決まった時間にひとりでに動かす)や⑥「つなぐ」など。次回も同じ受付ページを練習台に、引き出しをもう一つ取り出して開けてみます。
*※この記事の操作はすべて無料枠の範囲で行っています。画面の名前・アカウント名・メールアドレス・APIキー・各種ID/URL・申込内容の個人情報は、マスクまたは架空のサンプルに差し替えています。AIの無料枠や許可画面の表示・AIの答え方は時期により変わることがあるため、最新の内容はご自身の環境でご確認ください。*
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タイトル案(3つ)
- 「駐車場はありますか?」にだけ、アラートが鳴った|GASはAIに文章を読ませて“判断”を次の動きに使える【基礎編】
- 申込の“ひとこと”を、届いた瞬間にAIが仕分ける|「質問」のときだけ知らせてくれる受付ページ【基礎編】
- AIが読み分けて、プログラムが動きを変えた|“判断”が仕事の流れに組み込まれる④の引き出し【基礎編】



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