受発注・請求 秘書|在庫が減ったら「そろそろ仕入れて」と教えてくれる【育てる編③】

受発注 育てる編③アイキャッチ:減ってきたら、向こうから教える つまずき帳

仕入れのタイミングを、いつも“勘”で回している

棚を見て、ふと手が止まる。「これ、あとどれくらいだっけ」。少なそうに見えるけれど、まだいける気もする。今発注すると早すぎる気もするし、見送ると切らしそうな気もする——その綱渡りを、毎回、勘で渡っています。

そして、勘はときどき外れます。注文を受けて、いざ出そうとしたら棚に無い。あわてて仕入先に連絡して、「すみません、急ぎでお願いできますか」と頭を下げる。あるいは逆に、「念のため」と多めに頼んで、使いきれない在庫が積み上がる。どちらに転んでも、後ろから追いかけている感じが消えません。

いちばん苦いのは、切らしたことに、切らしてから気づくこと。発注は、本当は「まだ余裕があるうち」に出すのがいちばん楽なのに、気づくのはたいてい、もう間に合わないところまで減ったあと。「あ、無い」と気づいたその瞬間には、もう後手に回っている——あの感覚です。

育てる編②では、在庫の数を頭の中から台帳へ預けました。受注で予約(引当)し、納品で減らし(出庫)、仕入れで増やす。「あなたが見にいけば、在庫の状態が分かる」ところまで来ました。今回は、その一歩先。秘書のほうから「そろそろ仕入れどきです」と教えてくれて、発注書まで用意してくれる回です。

結果から言います = 在庫が減ったら教えてくれる。発注書のPDFまで作る

先に結論から。核(応用編その3)で一度貼ったコードのまま、今回の3つも「メニューのこの項目を押すだけ」で動きます。 新しくコードを貼り直す必要も、AIに頼み直す必要も、ありません。育てる編は、ずっとこの約束です。

やることを先に並べると、こうです。

  • 今どれを仕入れるべきか知りたいとき → 「発注が必要な在庫を確認」 を押す。要発注・欠品の品が、まとめて一覧で出ます。
  • 減ったら自動で知らせてほしいとき → 自社情報で 「在庫アラート通知」をON にしておく(既定はOFF)。ONのときだけ、要発注が出たタイミングで、設定したメール宛に知らせが届きます。
  • いざ発注するとき → 「発注が必要な品の発注書PDF」 を押す。要発注の品をまとめた発注書が、推奨の発注数つきでPDFになります。

電卓も、「あと何個だっけ」の遡りも、勘での綱渡りも、ありません。わたしがやるのは「確認する」「発注書を出す」を選んで押すこと。 あとは秘書が、決めておいた発注点と照らして、仕入れどきの品を拾ってくれます。

今回も、わたしはコードを一行も書いていません。書いたのはAIで、わたしがやったのは、核の回で一度だけ貼って、許可しただけ。発注点を見張る仕組みも、発注書を作る仕組みも、もうそのコードの中に入っています。

① 仕入れどきの品を、まとめて確認 = 発注点チェック(メニューの「発注が必要な在庫を確認」)

「今、どれを仕入れるべきか」を、棚を一周しなくても一覧で出してくれるのが、発注点チェックです。

育てる編②で、在庫シートの「状態」列が 「要発注」「欠品」 と文字で教えてくれる話をしました。あの状態を、品ごとにバラバラに見にいくのではなく、該当する品だけを、まとめて拾い上げてくれるのがこの機能です。②で「見落とし防止は、このメニューと組み合わせて」と振っていた、その回収先がここです。

「発注が必要な在庫を確認」を押すと、要発注・欠品の品だけをまとめたダイアログが出る。「品名:状態(利用可能 ○ / 発注点 ○)」の形で、いま仕入れどきの品が一目で分かる
「発注が必要な在庫を確認」を押すと、要発注・欠品の品だけをまとめたダイアログが出る。「品名:状態(利用可能 ○ / 発注点 ○)」の形で、いま仕入れどきの品が一目で分かる

やり方は、こうです。

  1. メニュー 「受発注秘書」→「在庫」→「発注が必要な在庫を確認」 を押します(受注台帳の行を選ぶ必要はありません。在庫シート全体を見てくれます)。
  2. 要発注・欠品の品が、まとめて一覧で出ます。 それぞれ「品名:状態(利用可能 ○ / 発注点 ○)」という形で、「今いくつ使えて、どこまで減ったら発注点か」が並びます。
  3. 発注が必要な品がひとつも無ければ、「発注が必要な在庫はありません(すべて適正)。」 と教えてくれます。

ここで拾われるのは、状態が「要発注」または「欠品」の品だけです。

  • 要発注 … 利用可能(現在庫−引当)が、決めておいた「発注点」以下まで減った品。「そろそろ仕入れどき」のサイン。
  • 欠品 … 現在庫が0以下まで減った品。もう手元に無い状態。

「適正」な品(まだ余裕がある品)は、一覧には出てきません。手を打つべき品だけが、目の前に並ぶ——そういう一覧です。

ひとつ、知っておいてほしいこと。この確認は、メニューから手で押す以外にも、そっと自動で走ることがあります。 メニューで受注を確定した直後と、棚卸を反映した直後に、秘書が小さく要発注をチェックし、画面の下にそっとお知らせ(トースト)を出します。発注点を切っていれば「あ、これ発注点を切りましたよ」と、向こうから声をかけてくれる、ということです。

② 減ったら自動で知らせてほしいとき = 在庫アラート(既定OFF・ON時だけメール)

「いちいち確認を押さなくても、減ったら知らせてほしい」——そのための在庫アラートです。ただし、ここはとても大事なので、正確に書きます。

この通知は、既定ではOFFです。 つまり、何もしなければ、メールは一通も飛びません。「設定した覚えがないのに、いつのまにかメールが届く」——そういうことは起きない作りになっています。

在庫アラート(既定OFF・ONにしたときだけ)。発注が必要になると、自社メール宛にだけ件数と明細が届く。差出人も宛先も自分——取引先(顧客)には構造的に送られない。下書きではなく即時送信
在庫アラート(既定OFF・ONにしたときだけ)。発注が必要になると、自社メール宛にだけ件数と明細が届く。差出人も宛先も自分——取引先(顧客)には構造的に送られない。下書きではなく即時送信

知らせを受け取りたいときは、自社情報シートで「在庫アラート通知」をONにするだけです。

  1. 自社情報シートに、「在庫アラート通知」という行があります(秘書が自動で用意してくれていて、初期値は「OFF」。プルダウンで「ON/OFF」を選べます)。
  2. ここを 「ON」 にします。
  3. 同じく自社情報シートの 「メール」欄に、知らせを受け取りたいアドレスを入れておきます。

これで準備完了です。あとは、要発注の品が出たタイミング(メニューで「発注が必要な在庫を確認」を押したとき・メニューで受注を確定したとき・棚卸を反映したとき)に、「在庫アラート通知」がONで、かつ「メール」欄にアドレスが入っているときだけ、そのアドレス宛に「発注が必要な品目が ○ 件あります」という知らせが届きます。なお、フォームから自動で入った受注では、この自動チェックは走りません。その分は、次に「確認」を押したときか、棚卸のときに、まとめて拾われます。

ここで、誤解しないでほしいところを正直に書きます。

このアラートが送る先は、自社情報シートの「メール」欄に入れたアドレスです。通常はそこにご自身(自社)のアドレスを入れる想定なので、実際には「自分宛に届く」使い方になります。ただ、秘書はそのアドレスの中身までは確かめません。確実に言えるのは、お客さん(取引先)の連絡先には絶対に送らない、ということ。 お客さんのアドレスを参照する経路が、そもそもこの通知には存在しません。だから「お客さんに、うっかり在庫の警告メールが飛ぶ」——それは構造的に起きません。

そしてもうひとつ。このアラートは、毎朝決まった時刻に自動で飛ぶ、という類のものではありません。 「在庫が動いた」操作の延長で、ONかつ宛先が設定されているときだけ知らせが出る仕組みです。「黙って放っておいても、定期便のように届く」と思い込まないでください。仕入れどきを確実に押さえたいときは、ときどき①の「発注が必要な在庫を確認」を自分から押すのが、いちばん確実です。

③ いざ発注するとき = 発注書PDF(メニューの「発注が必要な品の発注書PDF」)

仕入れどきが分かったら、次は発注書。要発注の品をまとめて、推奨の発注数つきで一枚のPDFにしてくれます。

「発注が必要な品の発注書PDF」。要発注・欠品の品を、推奨発注数(発注点の2倍が目安)つきで1枚に。入荷予定で足りる品は載らない(二重発注の防止)。番号はPO-で自動採番
「発注が必要な品の発注書PDF」。要発注・欠品の品を、推奨発注数(発注点の2倍が目安)つきで1枚に。入荷予定で足りる品は載らない(二重発注の防止)。番号はPO-で自動採番

やり方は、こうです。

  1. メニュー 「受発注秘書」→「在庫」→「発注が必要な品の発注書PDF」 を押します。
  2. 要発注・欠品の品が自動でまとめられて、発注書がPDFになります。番号が自動で振られ、品名・現在庫・発注点・入荷予定・発注数の表が並びます。
  3. 発注先は 「(発注先名をご記入ください)御中」 というプレースホルダになっています。発注先はご自身で書き入れてください。
  4. 発注が必要な品がひとつも無ければ、「発注が必要な品目はありません(在庫はすべて適正、または入荷予定で充足しています)。」と教えてくれて、何も作りません。

発注書に載る 「発注数」は、推奨値です。「発注点の2倍まで在庫を戻す」を目安に、今の利用可能と入荷予定を差し引いて、「あといくつ足せば目標に届くか」を秘書が自動で計算しています。発注書にも「発注点の2倍を目安に自動算出した推奨値です。実際の発注数は取引状況に合わせて調整してください」と注記が入ります。あくまで目安なので、最終的な数は取引状況に合わせて調整してください。

ここで、この秘書が気をきかせてくれるところ。すでに「入荷予定」で足りる品は、発注書に載せません。 一度発注して入荷待ちになっている品を、二重に頼んでしまわないためです。「この前頼んだのに、また頼んでしまった」——それが起きにくい作りになっています。

そして、もうひとつ大事な連携。発注書を出すと、その品の 「入荷予定(入荷待ち)」の数が、発注した分だけ増えます。 「これだけ発注済み=これだけ入荷待ち」が、台帳に記録される、ということです。

ここが、育てる編②の続きです。②で「入庫を登録すると、入荷待ちが届いた分だけ自動で消し込まれる」と予告していました。その入荷待ちの“もと”を作るのが、この発注書PDFです。発注書を出すと入荷予定が増え、仕入れが届いて入庫を登録すると、その分だけ入荷予定が減っていく。「発注した → 届いた」が、足し算と引き算でちゃんとつながる——その輪が、ここで閉じます。

ひとつ正直に。発注書のPDFを作ることと、入荷予定を増やすことは、必ずセットで一度に行われます。PDFがうまく作れなかったときは、入荷予定の数字は動きません(番号だけは消費して欠番になります)。「PDFは失敗したのに、入荷待ちの数字だけ増えていた」——そういう食い違いが起きないように作られています。

裏側のしくみ(ここは読み飛ばしてOK)

ここは、仕組みに興味がある人だけ、のぞいてください。読み飛ばしても、メニューはちゃんと動きます。

  • 「要発注」の判定は、発注点との比べっこです。 秘書は、品ごとに「利用可能(現在庫−引当)」を出して、それが決めておいた「発注点」以下なら「要発注」、現在庫が0以下なら「欠品」と判定します。あなたが頭の中で引き算しなくても、台帳のほうが「これは発注点を切った」と先に気づいてくれる、ということです。
  • 発注書の番号は、同じものが二度使われることはありません(採番の原子性/ロック)。 発注書を作るとき、秘書は「番号をつける → PDFを作る → 入荷予定を増やす」を、ひとつながりの作業として、一度にひとつずつ行います。途中で別の処理が割り込んで同じ番号が二度使われたり、「成功したように見えて実は失敗していた」——そういう事故を、入り口でまとめて防いでいます。ただし、PDF作りに失敗したときは、その番号は使わずに飛ばします(欠番になります)。 番号を取り違えて二重に発注してしまうより、ひとつ飛ばして安全側に倒す——そういう作りです。
  • 同じ品を二重に発注しません(冪等/入荷予定の差し引き)。 発注書を作るとき、すでに入荷予定で足りる品は外します。さらに、仕入れが届いて入庫を登録すると、入荷予定はその分だけ自動で減ります(下限は0で、マイナスにはなりません)。「発注した分」と「届いた分」が、足し引きでいつも釣り合うようになっています。

大事なのは、これらが全部、自動で効いていることです。あなたが「二重に頼んじゃったかも」「番号がズレたかも」と心配しなくても、秘書のほうが手順を守って、正しい数に落ち着けてくれます。

ただし、もう一度だけ正直に。「数の辻褄が合っている」ことと、「その発注が本当に妥当か」は、別の話です。 前者は仕組みで守れます。でも、推奨発注数が今回の取引にちょうどいいか、その仕入先でいいのか——そこは、人が決めることとして残してあります。

正直にできないこと(先に言っておきます)

このブログのやり方として、できないことは先に正直に言います。今回の3つにも、はっきりした限界があります。

  • 発注は“送りません”。実行は、人がやります。 秘書がやるのは、発注書のPDFを作るところまで。仕入先に発注を「送信」したり、注文を確定したり、お金を動かしたりは、いっさいしません。できあがった発注書を、メールや電話やFAXで仕入先に送るのは、あなたの手で。これは育てる編①の「送金・決済はしない」、②の「発注の送信はしない」と、ずっと一貫した方針です。
  • 在庫アラートは、ONにしないと届きません。 既定はOFFです。「黙っていても、向こうから定期的に知らせが来る」とは思わないでください。知らせを受け取りたいなら、自社情報で「在庫アラート通知」をONにして、「メール」欄にアドレスを入れる——その設定がいります。
  • 発注点を0にした品は、対象外です。 送料やサービス料のような「在庫という概念がない品」は、発注点を0にしておきます。すると、その品は「要発注」「欠品」になることがなく、発注点チェックにも、在庫アラートにも、発注書にも、いっさい出てきません。 これは“バグ”ではなく、「数える意味のない品を、わざわざ発注しようとしない」ための仕様です。逆に言えば、ちゃんと見張ってほしい品は、発注点を1以上に設定しておく必要があります。

——仕入れという、止まると現場が困る判断を任せる相手が、「ここまでしかやりません」「最後の発注は、あなたが出してください」を正直に申告してくれること。それ自体が、いちばん安心できるところだと思っています。

次回予告:育てる編④=集計・月次売上グラフ・会計CSV

今回で、在庫の輪がぐるりと一周しました。減ったら教えてくれて、発注書を作り、届いたら入荷予定が消える。「気づいたら切れていた」「発注を出し忘れた」——あの後手を、先回りで潰せるようになりました。

ここまでで、受注の輪も、お金の輪も、在庫の輪も、ぜんぶ秘書に乗りました。次回は、そのぜんぶを締めくくる回です。

  • 育てる編④:集計・月次グラフ・会計CSV。 「今月いくら売れた」「まだ請求していない・入金されていないのはどれ」を秘書がまとめ、月次の売上をグラフにし、確定申告の前に必要な会計CSVまで出す。台帳に貯めてきた一年ぶんの記録が、最後にちゃんと“数字”として返ってくる回です。

これも、追加でコードを貼り直す必要はありません。 集計もグラフもCSVも、もう核の回で貼ったコードの中に入っています。次回も「メニューのこの項目を押すだけ」の解説です。ここまで手を動かせたあなたなら、もう、この最後の一周も越えていけます。


※本記事および本書類の税区分・記載は一般的な実務整理に基づく簡易対応です。真偽・税区分は判定していません。最後は、元記事および顧問税理士・国税庁の最新情報でご確認ください。コードは、一行も書いていません。

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